なろう系小説で賑わう悪役令嬢モノ。なんでも読むのでいろんなお話が入りすぎて、もうあまり区別が出来なくなりつつあります。テンプレの悪役令嬢モノ以外にも、逆行モノや転生、回帰などの派生についてもひととおり楽しみ、マンガだと、やはり作画が美しいと一際印象に残ります✨
しかしこういったファンタジー貴族モノを読むと毎回思うのは、本物の悪役の存在です。まだ年若いはずの令嬢、令息などに本物のヤバい人がいると、つい考えてしまうのです。
作者は、性悪説を元に人物を描いているのではないか?と。
でないと納得出来んのですよ。金も地位もあって、生きるのに困らない方々の性根が、どうしてこんなに腐ってしまうのか。
ジジババが悪役の場合、ねじ曲がった性格に理由がある気がします。例えば、愛されずに虐待を受けて育ったとか、お金がない家庭で育った為に、お金に固執するようになり、命より金!という思考が育ったなど。生育歴に問題がある場合が多く、ある意味致し方ないと思うところもあります。この場合は、性善説つまり人は生まれながらにして善であり、その生育により悪に染まるという考え方になるわけです。
しかし、私が読むファンタジー系の悪役が出てくる物語には、そういったバックボーンがなく、善良そのものの顔をしながら、年若い悪役が数多く出てきます。恵まれた環境で育っているように描かれ、主人公達を虐め抜く方々。
君たちは、いつからそんなに歪んだのだ?
恵まれた環境と生育歴をもってしても歪んでしまうのならば、彼らは生まれながらに『悪』であり、善を学ぶことが出来ない能力しかなかったのではないでしょうか?
ならば、主人公達を虐め抜く彼らは、人間としての成長を遂げることが出来ない憐れな存在であると言うことが出来、本来ならば救済されるべきは彼らである気がします。
勿論、テンプレ的な存在として物語に登場させていることが多いのも理解しています。でも「何故、悪役令嬢が生まれてくるのか」と考えると、ちょっとだけ人間の悪意の発生について思い描いてしまうのでした。